古銭というと日本の大判小判をイメージしますが、
その目を海外に向けてみるとやはりその国々で、
お金を中心とした複雑な時代背景が見えてきます。

今回は、日本と同盟国であるアメリカの貨幣の時代背景に触れてみました。

アメリカといえば通貨はドルですね。

そのドルが生まれるまでの軌跡を解説していきます。

植民地時代のアメリカに独自の通貨はない

1ドル札

アメリカはみなさんご存知のとおりイギリスの植民地でした。

そして植民地時代のアメリカはイギリスのポンドを貨幣として使用していました。

実は植民地は独自の貨幣というのをもってはいけなかったので、
この頃にはアメリカ・ドルといったものはなかったのです。

ポンド以外に流通していた貨幣はフランス、ポルトガル、スペインの鋳貨で、
そのうちスペイン鋳貨は流入量が多く、植民地のアメリカの人々にもっとも親しみがあった貨幣でした。
スペイン鋳貨はスペイン・ドレラ銀貨でした。

英語でダラー(Dollar)と呼ばれていましたが、
日本人はダラーのことをドルと呼んでいました。(以下ダラーをスペイン・ドルと表記)

ポンドよりもスペイン・ドルの人気が高くなった理由

貿易港

ポンドは植民地であったアメリカの人々にとって蓄積できないものでした。

理由は本国であるイギリスと植民地であるアメリカの間での貿易というのは、
輸出がほとんどなく輸入が大半を占めていたからです。

つまり、輸出でポンドが植民地のアメリカに入ってきても、
本国からの輸入が多いので、ポンドは本国に戻ってしまい蓄積できない貨幣だったのです。

それに比べてドルは南欧貿易や西インド貿易の決済に使われており、
貿易が輸入よりも輸出が多くて植民地のアメリカの人々にとっては蓄積できるお金だったのです。

そうしている間にポンドよりもスペイン・ドルのほうが人々に溶け込み、
国民の貨幣という意識が高まったと言われています。

独立のタイミングで誕生ドル

ドルの誕生はイギリスの植民地であったアメリカの独立のタイミングでおきました。

独立革命のとき、その当時の財務総監であったロバート・モリスは、
植民地時代に慣れ親しんだスペイン・ドルを統一通貨にしようと考えました。

ところが、モリスの考えた貨幣単位は小さすぎるのではないかと、
のちの第三代大統領トマス・ジェファソンが異を唱え、
単位等を見直し、それをワシントン政権下であったアレグザンダー・ハミルトン(財務長官)が継承し、
法的手続きを経て、ドルが誕生したのです。